チラシや施策は効いたか
これまでのチラシ配布や集客施策で、患者が増えたかを確かめます。
- わかったこと
- 今回のデータでは、どの施策も「患者が増えた」とも「減った」とも言い切れませんでした。
- 良い?悪い?
- 効果がなかったという意味ではありません。施策の時期が重なっていたり、期間が短かったりして、効果を切り分けられませんでした。
- 次にやること
- 次の施策では、①配布エリアと配布日を記録する、②同じ時期に別の施策を重ねない、③チラシにQRコードなど「チラシを見て来た」ことがわかる仕掛けを入れます。これで効果を測れるようになります。
施策ごとの結果
| 施策名 | 時期 | 結果 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 春ポスティング(EPARKチラシ+自局チラシ) | 2025年2月22日〜3月10日 | 確認できなかった | 近くの新患はやや減ったが、偶然の範囲と区別できない |
| 夏ポスティング(自社チラシ) | 2025年6月27日〜7月11日 | 確認できなかった | 近くの新患はやや減ったが、偶然の範囲と区別できない |
| 春ポスティング2026 | 2026年2月26日〜3月9日 | 確認できなかった | 近くの新患はやや増えたが、偶然の範囲と区別できない。LINEチラシ同封と時期が重なっている |
| MEOコンサル開始 | 2025年4月〜(継続) | 確認できなかった | 門前以外の処方箋はやや増えたが、偶然の範囲と区別できない。開始月だけが分かり、日付は不明 |
| 秋の施策群(AIブログ・FindAD・マイナ広告/OV) | 2025年9月〜(継続) | 確認できなかった | 門前以外の処方箋はやや増えたが、偶然の範囲と区別できない。4つの施策が6週間に重なり、個別には分けられない |
月別の推移と施策の時期
施策の前後で、処方箋や新患の数がはっきり変わった時期は見当たりません。
専門家向けの詳細
専門家向けの詳細(推定方法・統計量・感度分析・前提)
- 春ポスティング(EPARKチラシ+自局チラシ): 近距離の新患 -1%(95%CI -8〜+7%、プラセボp=0.97、追加 約-3人)→ 判定できない
- 夏ポスティング(自社チラシ): 近距離の新患 -7%(95%CI -16〜+2%、プラセボp=0.74、追加 約-23人)→ 判定できない
- 春ポスティング2026: 近距離の新患 +20%(95%CI +8〜+33%、プラセボp=0.32、追加 約50人)→ 判定できない
- MEOコンサル開始(水準): 非門前の処方箋 +1%(95%CI -47〜+94%、プラセボp=0.94)→ 判定できない
- 秋の施策群(水準): 非門前の処方箋 +26%(95%CI -51〜+224%、プラセボp=0.50)→ 判定できない
- ポスティングは半径1km(先方確認済み)。半径内の全戸に配ったかは未確認。
- 秋の施策群は4施策が6週間に集中し、個別の効果は分けられない。
- LINEチラシ同封は春ポスティング2026と重なり分けられない。競合イベントは事後期間が短く推定対象外。
- 補助資料の2026-08は受付回数2292に対し処方箋枚数1294と整合せず、受診データも2026-07-31までのため2026-08は使っていない。
- 新患=初回受診日(新患フラグは不使用)。
- 門前=クリニックから直線40m以内(北川氏指示 2026-09-30)。この基準では門前が処方箋の約1%しかなく、継続施策の比較ITSは対照群(門前)が小さいため信頼区間が非常に広い。
イベント年表
Excelの「↑」注記を転記。注記内の日付を優先した。
| # | イベント | 対象 | 開始 | 終了 | 推定方法 | 出典セル |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 春ポスティング(EPARKチラシ+自局チラシ) | 自店施策 | 2025-02-22 | 2025-03-10 | 差の差 | G35, G39, 先方確認 |
| 2 | MEOコンサル開始 | 自店施策 | 2025-04-01 | (継続) | 比較ITS | J15 |
| 3 | 夏ポスティング(自社チラシ) | 自店施策 | 2025-06-27 | 2025-07-11 | 差の差 | L39, 先方確認 |
| 4 | 秋の施策群(AIブログ・FindAD・マイナ広告/OV) | 自店施策 | 2025-09-01 | (継続) | 比較ITS | O15, P15, O35, O39, P39 |
| 5 | LINEチラシ同封開始 | 自店施策 | 2026-02-13 | (継続) | 記述のみ | S39 |
| 6 | 春ポスティング2026 | 自店施策 | 2026-02-26 | 2026-03-09 | 差の差 | U39, 先方確認 |
| 7 | ヤマト薬局がEPARK課金した可能性 | 競合 | 2026-06-01 | (継続) | 記述のみ | X35 |
中間指標の動き
施策がチャネルの数字を動かしたかの確認(効果推定ではない)。
オンライン系データの月次推移
チラシの効果(近距離 vs 遠距離の新患)
週固定効果+群別トレンドのポアソン回帰。効果窓=配布期間+4週。
週次の新患数と効果窓
推定効果と感度分析・プラセボ
| イベント | 効果 | 95%CI | プラセボp | 追加新患 | 感度4仕様中の符号反転 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 春ポスティング(EPARKチラシ+自局チラシ) | -1% | -8〜+7% | 0.97 | -3人 | 2件 | 判定できない |
| 夏ポスティング(自社チラシ) | -7% | -16〜+2% | 0.74 | -23人 | 0件 | 判定できない |
| 春ポスティング2026 | +20% | +8〜+33% | 0.32 | 50人 | 1件 | 判定できない |
継続施策の効果(非門前 vs 門前の処方箋)
週固定効果の比較ITS。水準=切れ目での段差、傾き=その後の週あたりの伸びの変化。
非門前の実績・モデル・施策がなかった場合
| 項 | 効果 | 95%CI | プラセボp | 秋施策の切れ目=9/29 | 花粉期統制なし | 開始=2025-01 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| MEO 水準 | +1% | -47〜+94% | 0.94 | +0.3% | +0.9% | -29.5% | 判定できない |
| MEO 傾き(週あたり) | +1.4% | -8〜+12% | - | +2.1% | +0.9% | -5.2% | 判定できない |
| 秋施策 水準 | +26% | -51〜+224% | 0.50 | +19.3% | +27.2% | +31.5% | 判定できない |
| 秋施策 傾き(週あたり) | -0.4% | -6〜+6% | - | -1.2% | -0.1% | +0.2% | 判定できない |
| 競合イベント(参考) | -30% | -54〜+7% | - | -25.8% | -31.8% | -30.4% | 判定できない |
手法と前提
週ごとの固定効果で、その週に全体へ一律にかかった変化(3月の花粉ピーク、開局後の伸び、祝日)を相殺する。チラシは商圏内の住民にだけ届くという前提で、近距離(1.0km以内)と遠距離(1.5km超)の新患を比べる。継続施策は、薬局を自分で選ぶ非門前の処方箋に効き、門前2院の処方箋には効きにくいという前提で両者を比べる。ただし花粉期(2/15〜4/30)は門前の耳鼻科だけが伸び、この前提が崩れるため、花粉期の差を統制項として入れた。
比較ITSは2024年12月以降で推定した。開局直後の3か月は非門前の比率が0.04→0.07と急に伸びており、ここを含めて直線トレンドを当てると、伸びが落ち着いただけの2025年4月以降を『MEO開始で下がった』と誤読する(全期間で推定すると MEO −29% という、月次の実数では見えない減少が出た)。
判定は「95%信頼区間が0をまたがない」「プラセボp<0.10」「感度分析のすべての仕様で効果の向きが同じ」の3つを満たすときだけ『効果あり(前提付き)』とした。1つでも欠けた場合は、効果がないと言えるわけではなく、このデータでは区別できないという意味で『判定できない』とした。