Kutsuki DataBank / Phase 5
Kutsuki DataBank / Phase 5

チラシや施策は効いたか

これまでのチラシ配布や集客施策で、患者が増えたかを確かめます。

くつき薬局南茨木店受診 2024-09-02 〜 2026-07-31生成 2026-10-01 19:21
評価した施策
5件
チラシ3・継続施策2
年表の7件のうち、効果を測れる時期と期間があったもの
効果を確認できた施策
0件
評価5件のうち
残り5件は、増えたとも減ったとも言えなかった
分析した新規患者
8,885人
初めて来局した日で数えた人数
1か月あたり平均 約386人
わかったこと
今回のデータでは、どの施策も「患者が増えた」とも「減った」とも言い切れませんでした。
良い?悪い?
効果がなかったという意味ではありません。施策の時期が重なっていたり、期間が短かったりして、効果を切り分けられませんでした。
次にやること
次の施策では、①配布エリアと配布日を記録する、②同じ時期に別の施策を重ねない、③チラシにQRコードなど「チラシを見て来た」ことがわかる仕掛けを入れます。これで効果を測れるようになります。

施策ごとの結果

施策名時期結果ひとこと
春ポスティング(EPARKチラシ+自局チラシ)2025年2月22日〜3月10日確認できなかった近くの新患はやや減ったが、偶然の範囲と区別できない
夏ポスティング(自社チラシ)2025年6月27日〜7月11日確認できなかった近くの新患はやや減ったが、偶然の範囲と区別できない
春ポスティング20262026年2月26日〜3月9日確認できなかった近くの新患はやや増えたが、偶然の範囲と区別できない。LINEチラシ同封と時期が重なっている
MEOコンサル開始2025年4月〜(継続)確認できなかった門前以外の処方箋はやや増えたが、偶然の範囲と区別できない。開始月だけが分かり、日付は不明
秋の施策群(AIブログ・FindAD・マイナ広告/OV)2025年9月〜(継続)確認できなかった門前以外の処方箋はやや増えたが、偶然の範囲と区別できない。4つの施策が6週間に重なり、個別には分けられない

月別の推移と施策の時期

施策の前後で、処方箋や新患の数がはっきり変わった時期は見当たりません。

phase5_timeline.png
この図の読み方黒が処方箋全体、橙が門前2院、青が門前以外、緑の点線が新患の月別の数です。縦の点線と網掛けが施策の時期で、番号は下の注記に対応します。

専門家向けの詳細

専門家向けの詳細(推定方法・統計量・感度分析・前提)
結果(数値はすべて前提付きの推定)
  • 春ポスティング(EPARKチラシ+自局チラシ): 近距離の新患 -1%(95%CI -8〜+7%、プラセボp=0.97、追加 約-3人)→ 判定できない
  • 夏ポスティング(自社チラシ): 近距離の新患 -7%(95%CI -16〜+2%、プラセボp=0.74、追加 約-23人)→ 判定できない
  • 春ポスティング2026: 近距離の新患 +20%(95%CI +8〜+33%、プラセボp=0.32、追加 約50人)→ 判定できない
  • MEOコンサル開始(水準): 非門前の処方箋 +1%(95%CI -47〜+94%、プラセボp=0.94)→ 判定できない
  • 秋の施策群(水準): 非門前の処方箋 +26%(95%CI -51〜+224%、プラセボp=0.50)→ 判定できない
限界
  • ポスティングは半径1km(先方確認済み)。半径内の全戸に配ったかは未確認。
  • 秋の施策群は4施策が6週間に集中し、個別の効果は分けられない。
  • LINEチラシ同封は春ポスティング2026と重なり分けられない。競合イベントは事後期間が短く推定対象外。
  • 補助資料の2026-08は受付回数2292に対し処方箋枚数1294と整合せず、受診データも2026-07-31までのため2026-08は使っていない。
  • 新患=初回受診日(新患フラグは不使用)。
  • 門前=クリニックから直線40m以内(北川氏指示 2026-09-30)。この基準では門前が処方箋の約1%しかなく、継続施策の比較ITSは対照群(門前)が小さいため信頼区間が非常に広い。

イベント年表

Excelの「↑」注記を転記。注記内の日付を優先した。

#イベント対象開始終了推定方法出典セル
1春ポスティング(EPARKチラシ+自局チラシ)自店施策2025-02-222025-03-10差の差G35, G39, 先方確認
2MEOコンサル開始自店施策2025-04-01(継続)比較ITSJ15
3夏ポスティング(自社チラシ)自店施策2025-06-272025-07-11差の差L39, 先方確認
4秋の施策群(AIブログ・FindAD・マイナ広告/OV)自店施策2025-09-01(継続)比較ITSO15, P15, O35, O39, P39
5LINEチラシ同封開始自店施策2026-02-13(継続)記述のみS39
6春ポスティング2026自店施策2026-02-262026-03-09差の差U39, 先方確認
7ヤマト薬局がEPARK課金した可能性競合2026-06-01(継続)記述のみX35

中間指標の動き

施策がチャネルの数字を動かしたかの確認(効果推定ではない)。

オンライン系データの月次推移

オンライン系データの月次推移

この図の読み方オンライン系データ(Googleビジネスプロフィール閲覧・ルート検索・EPARK・LINE・オンライン受付)の月次推移です。施策がまずチャネルの数字を動かしたかの確認用で、処方箋が増えたかどうかの証拠ではありません。

チラシの効果(近距離 vs 遠距離の新患)

週固定効果+群別トレンドのポアソン回帰。効果窓=配布期間+4週。

週次の新患数と効果窓

週次の新患数と効果窓

この図の読み方上段は週ごとの新患数を、薬局から1.0km以内(近距離)と1.5km超(遠距離)に分けたものです。網掛けはチラシ配布期間+4週。下段は近距離÷遠距離の比(対数)。チラシが近所にだけ届いたなら、網掛けの中で下段の線が持ち上がるはずです。
推定効果と感度分析・プラセボ

推定効果と感度分析・プラセボ

この図の読み方左はチラシ効果の推定値と95%信頼区間。濃い点が主分析、灰色が距離の区切りやトレンドの有無を変えた感度分析です。灰色の点が0の左右に散るなら結果は仕様しだいで、判定できません。右は施策のない週で同じ推定をした分布(灰)と実施策(緑)の比較で、緑が灰の端にない限り偶然と区別できません。
イベント効果95%CIプラセボp追加新患感度4仕様中の符号反転判定
春ポスティング(EPARKチラシ+自局チラシ)-1%-8〜+7%0.97-3人2件判定できない
夏ポスティング(自社チラシ)-7%-16〜+2%0.74-23人0件判定できない
春ポスティング2026+20%+8〜+33%0.3250人1件判定できない

継続施策の効果(非門前 vs 門前の処方箋)

週固定効果の比較ITS。水準=切れ目での段差、傾き=その後の週あたりの伸びの変化。

非門前の実績・モデル・施策がなかった場合

非門前の実績・モデル・施策がなかった場合

この図の読み方上段は非門前の週次処方箋の実績(薄線)、モデル(実線)、施策がなかった場合の推定(破線)です。下段は比較対照にした門前の実績。実線と破線の差が施策効果の推定ですが、信頼区間が0をまたぐ場合は偶然の揺れと区別できません。開局直後の立ち上がりは除き、2024年12月以降で推定しています。
項効果95%CIプラセボp秋施策の切れ目=9/29花粉期統制なし開始=2025-01判定
MEO 水準+1%-47〜+94%0.94+0.3%+0.9%-29.5%判定できない
MEO 傾き(週あたり)+1.4%-8〜+12%-+2.1%+0.9%-5.2%判定できない
秋施策 水準+26%-51〜+224%0.50+19.3%+27.2%+31.5%判定できない
秋施策 傾き(週あたり)-0.4%-6〜+6%--1.2%-0.1%+0.2%判定できない
競合イベント(参考)-30%-54〜+7%--25.8%-31.8%-30.4%判定できない

手法と前提

週ごとの固定効果で、その週に全体へ一律にかかった変化(3月の花粉ピーク、開局後の伸び、祝日)を相殺する。チラシは商圏内の住民にだけ届くという前提で、近距離(1.0km以内)と遠距離(1.5km超)の新患を比べる。継続施策は、薬局を自分で選ぶ非門前の処方箋に効き、門前2院の処方箋には効きにくいという前提で両者を比べる。ただし花粉期(2/15〜4/30)は門前の耳鼻科だけが伸び、この前提が崩れるため、花粉期の差を統制項として入れた。

比較ITSは2024年12月以降で推定した。開局直後の3か月は非門前の比率が0.04→0.07と急に伸びており、ここを含めて直線トレンドを当てると、伸びが落ち着いただけの2025年4月以降を『MEO開始で下がった』と誤読する(全期間で推定すると MEO −29% という、月次の実数では見えない減少が出た)。

判定は「95%信頼区間が0をまたがない」「プラセボp<0.10」「感度分析のすべての仕様で効果の向きが同じ」の3つを満たすときだけ『効果あり(前提付き)』とした。1つでも欠けた場合は、効果がないと言えるわけではなく、このデータでは区別できないという意味で『判定できない』とした。